トミーメーセーのRich&Famous

投資でセミリタイアを目指しつつ、日々の気になることを綴っていきます

小説「海賊とよばれた男」を読み終えての感想 ~理想のリーダーはこのような人だ~

 

f:id:komesa:20180917182458j:plain

百田尚樹さん著の「海賊とよばれた男」を読み終えましたので、その感想を述べさせていただきたいと思います。

 

最初にこの小説について知ったのは、本ではなく、実は旅客機の国際線で見た映画が始まりでした。百田尚樹さんの本は、これまでにも「永遠の0」も読ませていただきましたが、この時もきっかけは国際線旅客機の映画でした。

 

私はあまりテレビやネットニュースを見る機会が無く、世間の動向に疎いため、最近の本や映画については有名どころでさえも、あまり知らなかったのですが、実際「永遠の0」や「海賊とよばれた男」を視聴したときは感動して思わずもらい泣きをし、隣の座席の人に不審がられたことを覚えています。

 

内容がどれも面白く、日本人として心に響く内容のため、これから海外に仕事で旅立つ自分自身と照らし合わせ、「私も海外で日本人としての誇りを胸に頑張らないと」、と勇気を貰っていました。

 

私は、同じ映画をあまり見返すことはしない達なのですが、同じ映画を往路と復路で短期間に2回も観た映画は、「永遠の0」と「海賊とよばれた男」ぐらいでしょう。

このような名作に巡り合えたことが、とても幸せです。

 

さて、主人公の国岡鐵造は、出光興産の創始者である、出光佐三さんがモデルです。これは公表されていることのようです。内容はほぼノンフィクションとのことですが、小説を読み進めてみると、戦時中や戦後の苦難、石油を巡るオイルメジャーとの戦いが生々しく表現されています。

 

国岡鐵造は様々な困難にもあきらめず、機転を利かせながら乗り越えていきますが、この困難が、一つでも自分の一生の内で起こったなら、いずれも人生最大の大事件になることでしょう。このような大事件が、国岡鐵造の身に次々と起こるのですから、普通の凡人にはたまったものではありません。

 

ですが、このような方の努力があったからこそ、現在の私たちの平穏な生活があるのだと思います。

 

私は出光佐三さんがご存命の時にはまだこの世に生まれておらず、どのような方であったかは当然分からないのですが、私から見た国岡鐵造は、まさに豪傑そのものでした。

 

声が大きく、豪快な性格はさながら戦国武将を彷彿とさせますが、機転の良さや決断力の高さ、行動力や部下からの信頼の高さは、まさに理想のリーダーの最終形態そのものであり、私は国岡鐵造に自分の考える理想の上司像を重ね合わせています。

 

私も将来は国岡鐵造のような人物になりたいと、一兵卒なりにも思ったりしているのですが、国岡鐵造の魅力とは、いったい何なのでしょうか?

 

まずは、絶対に覆せない信念があることでしょうか。

国岡鐵造は、「士魂商才」、「社員は家族」といったように、自分だけが得をしようとすることは決してせず、日本の将来を見据え、どうすれば日本がより豊かになるかということを常に考えて行動しているように見受けられます。

 

また社員は家族とし、馘首は絶対にしないということを、あの戦後の苦境時に決断できたことも、自分の信念は必ず通すという芯の強さだと思います。

 

今の日本では、少しでも経営が悪くなると、すぐに社員をリストラしようとしますが、その行動自体、国岡鐵造からしてみれば、経営者の器ではないということでしょう。

 

リストラは経営者が最も楽に経営を回復させることができる常套手段なわけですから、そのような人物に魅力を感じる部下はいません。

 

 

つぎに、決断力の高さが挙げられます。

国岡鐵造は時に、重役達の反対を押し切ってでも、自分の意見を通すという頑固な一面を垣間見ることがあります。これは、自分の先見の明に自信があるということもありますが、重要なことは素早くその場で決定できるという決断力の高さや、それに必要な経験・知識が十分に備わっているからだと思います。

 

最近私の会社では、上司が一人で物事を決めることが出来ず、すぐに関係者を集めて会議を開こうとする印象があります。これは、もし上司自らが決断を下した場合、その選択が間違っていた時に、責任を自分に全て押し付けられたくないという考えもあるかと思いますが、一人で決断できるほどその人には経験や知識がないため、営業や開発といったメンバーを都度集めて意見を聞く必要があるという一面もあると思います。

 

決断力が高いというのは、それだけ物事を瞬時に理解できる能力や知識があることを示しており、正しい選択を一人で即決できる上司は、部下からも信頼される大きな要素だと思います。

 

 

また、国岡鐵造には、人間味があふれているようにも見受けられました。人に対し、怒るべきときには怒りますが、一方で非常に涙もろいところもあり、喜怒哀楽がとてもはっきりとしている印象があります。

人に対し、喜怒哀楽で最も表現が難しいのは、「怒る」だと思います。

 

さて、人が怒るべきときは、一体どのようなときでしょうか。

大きく分けて以下の様な場合だと私は思います。

●味方を守るために敵に対して怒る

●味方の間違いを正したり成長させるために味方に対して怒る

味方というのは、家族や会社の部下など、自分にとって大切な関係者を指します。

 

最近は、間違った怒り方をしている人が多いように思います。私が思う最も間違った怒り方とは、

●自分のために味方に対して怒る

であり、自分のためというのは、自分の自尊心を何らかの形で傷つけられ、その腹いせに大切な誰かに対し怒ってしまうというものです。

 

最近はパワハラという言葉が世論を支配したせいか、社内で部下にちゃんと怒れる人というのは少なくなってきたように思います。

 

ですが、怒り方を間違えなければ、家族同様に部下のことを心から思い、お互い信頼し合っている仲であるならば、私はどんどん怒っていくべきだと思います。

 

 

「国岡鐵造のような上司が自分の勤める部署にもいたら」と、この本を読みながら、何度も思ったりしたものですが、リーダー職や管理職、経営者など、現在人の上に立つ立場の方には、「海賊とよばれた男」は絶対に読んでいただきたい作品であり、おすすめです。