私はユーザサポート部門で一応リーダーをしている。
先日、営業のリーダーを交えて打ち合わせをしたときのことだ。
「ユーザサポートメンバーも営業活動に全面的に協力するべきだ」とこの人から怒鳴られたのだ。
私の会社の営業の人は、性格的に結構きつめの人が多い。
正直、このようなタイプの人はどうも苦手だ。
頑固でこちらが何を言っても聞かず、怒鳴って相手をビビらせて主導権を握ろうとしてくる。
その場は何とかしのぎ、会議後にあれこれ考えてみる。
ユーザサポートの仕事は様々であるが、主な仕事内容はメンテナンスやトラブル対応だ。
現場サービスなのでユーザともよく顔を合わせ、信頼関係もある。
営業をさせれば、我が部署のメンバーは優秀なので、何の問題も無くやり遂げられるだろう。
だが、営業は営業の仕事であって我々の仕事ではない。
会社のためだとかお前らのためだとか、ごちゃごちゃそれらしい理屈を述べても、要は、自分たちが営業数字を挙げたいから、お前らも協力しろと言っているだけなのだ。
営業メンバーは営業のことを第一に考える。そりゃあそうだ。
我々だってユーザサポートのことを第一に考えているのだ。
お前らにとやかく言われる筋合いはない。
確かに、営業が数字を挙げないと、我々は食べてはいけない。
だけど、ユーザサポートだって、滞ればユーザが困り、顧客満足低下に繋がりかねない重要な仕事を任されているのだ。
余計な仕事を増やして、本来の仕事に支障をきたしたら、お前らどう責任とるつもりだ?
と、心の中でひと通り考えを巡らせた後、社内にも戦うべき敵はいるのだなと改めて思った。
さて、このような性格のきつい人や会社の上司たちは、よく信念を持てだの理想を持てだのと部下や新人に言ってくる。
だが、それらは全て綺麗事に過ぎないと私は思う。
会社の仕事について語る信念や覚悟、理想というのは、その人に強いストレスを加えてやれば、そんなものは簡単につぶれてしまうだろう。
人は、ある程度余裕があるから平穏を保って理想を語っていられる。余裕が無くなれば、人は平気でルールを破るし犯罪さえ犯してしまう。
会社で確固たる信念や覚悟を語っている人が、もし心も身体もボロボロに疲弊した状態になってもなお、同じことが言えますか?
人生には逃げ道が絶対に必要だ。
病気というものは、肉体よりも精神から発生することの方が多いものだ。
人のメンタルはそれだけ脆い。
どんなに強い人でも、いつかは崩壊する。
私も、1部門のリーダーだからと言って、会社の仕事で潰されるのは御免である。
責任感だとかプライドだとか、皆に申し訳ない気持ちとかも確かにある。
でも本当に壊れそうな程ストレスを抱えて頑張り続けるよりも、やっぱり自分のことは大切にしないといけない。
辞めたいときは辞めよう。
ただそれだけ。