私は倉木麻衣さんの曲が大好きで、特に最近は毎日のように聴いている。
特に大好きなのが「Secret of my heart」だ。
初めてこの曲に出会ったのは、「名探偵コナン」のエンディングでこの曲が流れた時だった。
切なくも儚い曲調に倉木麻衣さんの歌声がすごくマッチしていたし、毛利蘭こと蘭ねーちゃんが曲に合わせて歌っているかのような映像もとても印象的だった。
おそらく、蘭ねーちゃんの歌声は倉木麻衣さんみたいなんだろうなと思った。
当時、蘭ねーちゃんが歌っているかのようなエンディングのインパクトがあまりにも強すぎたため、工藤新一に対する恋心を素直に表現できない気持ち、つまりは、この「Secret of my heart」という曲は、自分の好きな人になかなか告白できない気持ちを表現したものなのだろうと長らく思っていた。
だが、もしそうだとすると、歌詞のところどころが少しつじつまの合わないような気がしなくもなかったが、とにかく良い曲には変わりないのだから、特に気にしてはいなかった。
しかし、最近になり、「Secret of my heart」は、倉木麻衣さんがデビュー当時、学校の友人に自分が歌手デビューしたことをなかなか打ち明けられなかった思いを歌にしたことを知り、この歌詞のさらなる奥深さを感じるようになった。
そして、改めてこの曲を聴いた時、当時の倉木麻衣さんの気持ちが私にも共感できたように思え、「なるほど、こういうことだったのか！」と感動さえ覚えたのだ。
学生の頃であれば、歌手デビューしたことはついつい親しい友人にも喋ってしまい、自慢してしまいそうであるが、なぜ倉木麻衣さんは友人に打ち明けることが出来なかったのだろうか？
その理由と当時の葛藤が、まさにこの「Secret of my heart」に表現されているのだ。
これまで、私も数多くのバンド、数多くの歌を聴いてきた。
しかし、これほどまで同じ曲をじっくりと良く聴き、歌詞の言葉とその意味を全て汲み取りたいと思えた曲は無い。
それほどまで、この曲と歌詞は素晴らしいものであると私は思う。
さて、これから「Secret of my heart」の歌詞を私なりに受け取った通りに述べるが、当然、歌詞の捉え方というのは十人十色であり、それぞれが異なる解釈をしていても、それは全く問題ない。
元々、歌詞というのは、色々な捉え方が出来るように作られているものなのだ。
『どんな 言葉に変えて
君に 伝えられるだろう
あれから いくつもの季節が
通り過ぎたけれど
いつも 傍で笑ってる
私にも言えないことが まだ ひとつだけある』
当時、高校生であるにも関わらず、既にシンガーソングライターとしてプロデビューし、オリコン上位にも入るほどに成功を収めていた倉木麻衣さん。
ですが、学校のクラスの親しい友人にさえも、自分が倉木麻衣であることを伝えてはいなかったそうだ。
この友人は、たわいもないことでおしゃべりもするし、どんなことでも気軽に相談できる気の置けない親友だっただろう。しかし、この親友にさえも、私にはまだ言えない隠している秘密(自分が倉木麻衣であること)がある。
この秘密は、この人にどのような言葉で伝えられるだろうか？
何度も伝えようと思っていたが、言いそびれてもうどれぐらい季節が過ぎ去ってしまっただろうか？
親友の隣でいつも通りおしゃべりして、いつも通り笑っている倉木麻衣さん。どんなことでも気軽に相談できる気の置けない親友にさえも、自分にはまだどうしても言えない秘密が1つだけある。
『Secret of my heart 疑ってもないね
いつだって少しの未来があれば
真実は 手に入れられるはず
I can't say もう少しだけ I'm waiting for a chance』
「私の心の中の秘密」について、この親友は疑っている様子は無い。だけど、もし私が少し勇気を出して打ち明けられたとしたら、この親友は直ちに私が倉木麻衣であるという真実を知ることが出来る。
でもまだ言えない。だからもう少しだけ。もう少しだけ、秘密を打ち明けられる機会がくるまで待つよ。
『こんな 穏やかな時間(とき)
もっと 繋がっていたい
全てを見せるのが 怖くて
少し離れて歩く
君の横顔がなぜか
壊れそうで 守りたい もっと近づきたいよ』
親友と過ごす学生生活。こんなに楽しくも穏やかな時間。この親友とはもっと一緒にいたい。
でも、もし私が倉木麻衣であると打ち明けたなら、その時親友はどうするだろう？もしかすると、私から離れていってしまわないだろうか？
そうなるのがとても怖い。
私から少し離れて歩いている親友の横顔をそっと覗いた時、なぜかふと今の関係が壊れてしまうことを想像し、そうならない様、今の関係を守りたい、もっと今よりも仲良くしていきたい。
『Secret of my heart 理解(わか)ってくれるよね
誰だって 逃げたい時もあるけど
それだけじゃ 何も始まらない
I can't say きっと必ず I'm calling for a chance』
「私の心の中の秘密」をもし伝えたら、きっとこの人は理解を示してくれるはずだよね。
誰にだって逃げたい時はあるけど、逃げてばかりだと何も始まらないし生まれない。
それは分かっているけど、まだ言えない。でもきっと必ず自分から機会を作って伝えるからね。
『Can I tell the truth? その言葉言えず 空回りする唇に
Feeling in my heart 隠せない これ以上 'Cause I love you
I will be with you Wherever you are Can you feel my heart?』
私は真実をこの親友に伝えることができるだろうか？真実を伝えようとしてもなかなか声が出ず、口が空回りするだけ。
だけど、私の本心として、本当はどうしたいのだろうか。私の本心としては、もうこれ以上この親友に隠し事をすることが出来ないと感じている。なぜなら、この親友のことをとても大切に思っているから。
あなたがどこにいようとも、私はあなたの傍にいるよ。だからお願い、私のこの気持ち、どうかあなたに伝わってほしい。
『Can't you see, you're my dream 失いたくないよ
大切な 君と過ごすこの時間
あきらめる位なら 信じて
I just wanna say もう迷わない』
あなたは私の夢と同じように大切なの、あなたには見えないけど。だから、あなたと過ごすこの大切な時間は絶対に失いたくはない。
でも、真実を伝える気持ちをあきらめる位なら、自分を信じて、相手を信じて。絶対に大丈夫。
私はたった今あなたに真実を伝えたい。もう絶対に迷わない。
『Can't you see, you're my heart どんな作り物も
簡単に壊れてしまう 日が来る
だけどまだ いつまでも変わらない
Secret of my heart Our future is forever』
あなたは私の心と同じぐらい大切なの、見ることはできないけど。
どんなに強固なものであっても、簡単に壊れてしまう日は訪れると思う。
それでも、いつまでもずっと変わらないものだってあるはずだ。
「私の心の中の秘密」もし真実をあなたに打ち明けたとしても、私達の関係は将来ずっと今のままで永遠に変わらない。
以上が、「Secret of my heart」の歌詞の内容である。
実は、倉木麻衣さんは学生の頃に転校しており、千葉から京都の学校へ編入している。千葉で通っていた学校では芸能活動が禁止されていたからだ。
また、本格的に芸能活動に専念するため、レコード会社に近い京都の学校を選んだのも理由の1つ。
『I will be with you Wherever you are』
「Secret of my heart」からは、プロ歌手としての活動に専念するため、千葉の親友とは離れて過ごさなければならない覚悟も感じられる。
だけど、これから離れて生活しても、この親友の事を大切に思う気持ちは変わらないだろう。
このような背景も念頭に置いて改めて曲を聴くと、より一層共感度を増すことが出来る。
ちなみに、「Secret of my heart」の歌詞からは結局、親友に真実を伝えることが出来たのかどうかまでは確実に読み取れない。
しかし、MVで歌う倉木麻衣さんの表情からは、きっと真実を自分から親友に伝えることができたのだろうなと思う。
そして、真実を伝えられた親友は倉木麻衣さんに理解を示し、今でも陰ながら応援し支えてくれているのだろう。
