今年の夏休みはコロナウイルス懸念で旅行を自粛しようかと思っていたが、政府の「Go To トラベル」キャンペーンを利用し、2泊3日で山梨県河口湖に行ってみることにした。
富士急ハイランドには、世界有数の絶叫マシンがあると聞き、まだ若いうちにそれらを体験しておきたいということと、どのような状況下でも冷静さを失わない精神力を養いたいという思いがあった。
なので、今回は基本的に絶叫マシンしか乗らないというルールを自らに課し、決死の思いで富士急ハイランドに赴いたわけである。
入場時刻は午前9:30ごろであったが、それから退場する17:30ごろまで、会場撮影のために1度だけ観覧車に乗った程度で、あとは全て絶叫マシンである。
とにかく、ヤバそうな絶叫マシンを優先的に、乗って、乗って、乗りまくった。
ちなみに、酔うと折角の富士急ハイランドが台無しだと思ったので、事前に酔い止め薬を飲んでおいた。
最終的に乗った全アトラクションの内訳は以下の通り。
(1) FUJIYAMA 3回
(2) 高飛車 2回
(3) ド・ドドンパ 2回
(4) トンデミーナ 1回
(5) 鉄骨番長 1回
(6) レッド・タワー 1回
(7) パニック・ロック 1回
(8) シャイニング・フラワー(観覧車) 1回
富士急ハイランドには目玉アトラクションの1つとして「ええじゃないか」もあるが、当日は残念ながらメンテナンス中で営業していなかった。
コロナウイルス懸念の影響はあるものの、入場者は少ないという感じはしなかったが、普段に比べれば非常に少ない方なのだろうと思う。
待ち時間は長いもので70分であった。
普段であれば人気アトラクションで2~3時間は普通に待たされると思うので、1日でこれだけ多く乗ることが出来たのは「今だから」かもしれない。
以下、目玉アトラクションである(1)~(3)のレビューを記載する。
(1) FUJIYAMA
富士急ハイランドに到着して、まず最初に乗ったアトラクションがFUJIYAMAだった。
最初はオーソドックスなジェットコースターに乗りたいと思ったからだ。
だが、全アトラクションを乗り終えて最終的に一番怖いと私が感じたのは、このFUJIYAMAだった。
ジェットコースターの醍醐味の1つとして、カタカタとてっぺんまで少しずつ上っていくときに感じる高さとじわじわと募る不安、そしてまもなくてっぺんから急降下させられるであろう恐怖感がある。
でも、ジェットコースター最大の恐怖は、「下り」の質にあると思う。
下り時のあの胃が持ち上がるような無重力感、あの感覚を出来るだけ多く味わえるジェットコースターはとても質が高いと思う。
あの無重力感は、下りで一定の加速度を保たないと出せないわけで、大きな下りを作ろうとすれば必然的にビッグサイズのアトラクションになる。
が、FUJIYAMAは見事に私の期待に応えてくれた。それも何度も。
富士急ハイランドにおいて人気No1の理由も納得の出来であった。
一度乗って降りた際、結構足がふらついたため、かなり体力的に持っていかれたようであったが、私が一番怖いと感じたアトラクションだったので、ついつい3回も乗ってしまった。
ちなみに、私の前に座っていた男の子は、あまりの恐怖に泣いていた。
これがトラウマとなり、絶叫マシンに一生乗れなくなってしまわないことを祈るばかりだ。
(2) 高飛車
FUJIYAMAの次に乗ったアトラクションだ。
高飛車は8人の少人数の乗り物で、小さい分、縦横無尽に自由度の高いのが特徴だ。
高飛車は、1度のアトラクションに前半と後半2つに分かれている感じがした。
前半は、暗闇からいきなりスタートし、コースが目視できない状況で上下左右に振り回される体験が斬新だった。
前半が一通り終わり、後半は一転して、垂直にカタカタと巻き上げられる。
目に見えるのは空だけだ。
垂直に上っていく際、周りの景色は見えない(見ようとすれば見れるが身体を固定されているので大変)ので、高さの恐怖はあまり感じないが、垂直に巻き上げられているだけで、何とも言えない不安や怖さを感じた。
横に乗っている人が、「頭おかしいでしょ! このアトラクション考えた人! 」と言っていたのが印象的だった。アトラクションを設計した人にとっては最大の誉め言葉だろう。
垂直に巻き上げられている際、比較などできないが想像で、宇宙飛行士がロケットで宇宙に飛び立つ際は、このような同じ一抹の不安を感じているのかもしれないなと思った。
宇宙飛行士はこれ以上のハードな訓練を毎日受けているのだろう。
宇宙飛行士って、どれだけ大変な職業なんだー。
宇宙飛行士は本当に尊敬する。
(3) ド・ドドンパ
ドドンパと聞くと、ド〇ゴンボールの某キャラの技名を思い浮かべる人も多いだろう。
私もそうだ。
実際に乗ってみると、それに勝るとも劣らない、まさにドドンパという名にふさわしいアトラクションだった。
公式のホームページでは、スタート時に1.56秒で時速180kmに達するとのこと。
このアトラクションは、是非とも最前列で体験してみたい。
1回目は最後尾だったが、2回目は運良く?、最前列に乗ることが出来た。
スタート時はカウントダウンがあるため、心の準備は済ませておくことが出来る。
あと、舌を噛む恐れがあるため、歯を食いしばっておいた方が良いだろう。
カウントゼロになった直後、ものすごい轟音とともに、時速180kmに達するわけであるが、全ての内臓が背中にくっつくかのような、ジェットコースター下りの胃が持ち上がる感じとはまた異質の感覚があった。
数秒間は息が出来ない。
すごい。
まるで戦闘機に乗っているみたいだった。
絶叫マシンは今まで高さと下りしか意識してこなかった自分としては、この加速アトラクションは何か新しい扉を開けた感じがした。
今後の絶叫マシンは、「高さ」「下り」に、「加速」の要素も新たに加わり、発展していくのかもしれない。
まだまだ書き足りないところもあるが、百聞百見は一験に如かず。
興味がある方は、是非体感していただきたい。
アトラクションに乗り出した最初の方は多少感じていた恐怖心も、後半は常に冷静というかほぼ無心で、淡々と絶叫マシンに乗っていた。
慣れたというか、肝が据わったというか、ちょっとやそっとでは動じなくなり、人としてというよりも生物として一段強くなった気がした。
富士急ハイランドを満喫した翌日、朝起きると肩や腰が妙に痛い。
場所的にどうやら、絶叫マシンのシートベルトや安全バーなどの固定具の影響によるものと思われる。
また、頭や首にも多少痛みがあったのは、絶叫マシンによる鞭打ちの症状が少しあったのだと思われる。
私の様に、一日に何度も絶叫マシンに乗る人はまれだと思うが、絶叫マシンは体力の消耗が激しいので、あまり無茶な乗り方は慎むべきだと反省した。
この日は昨日とは打って変わって、富士山と河口湖を眺める静かな観光を行った。
折角だから絶景スポットで富士山を拝みたいと思い、河口湖のすぐ近くにある富士山パノラマロープウェイ(大人往復:900円)に乗り、展望台へと向かった。
展望台から眺める富士山は、周りに遮るものも無く、まさに絶景。
この日は天気は良かったものの、あいにく富士山にはやや霞が掛かっており、はっきりとは見えなかった。
しかし、富士山の表情は毎日変わる。同じ表情は無いのだ。
このような富士山の表情もこの時だけ。
そう考えると、とても貴重な感じがした。
展望台では茶店があり、名物のたぬき団子(400円)を頂きながら、富士山を眺めるのもまた一興。
富士山を十分満喫した後は、河口湖で遊覧船にも乗ってみることにした。
遊覧船は、外に出ていても夏の暑さを忘れるほど、風が心地良かった。
遊覧船からも、富士山が確認できる。
やはり、今日の富士山はこの表情の様だ。
遊覧船は好きだ。
湖に行くと大抵は遊覧船があると思うが、私は必ず乗るようにしている。
湖の外と中では景色が全然違う。
折角来たのだから、両方の景色を堪能しないと損だ。
旅行に行くと、地元の観光スポットを全て回りたくなってしまう。
まだまだこの地に留まっていたい気持ちもあったが、残念ながら私の夏休みも残りわずかだ。
他の観光スポットは、次の機会に持ち越し。
もし、アーリーリタイアすることが出来て、もっと時間が確保できたなら、また来てみようと思う。